アリの読書記録。
すきな作家は、伊坂幸太郎さん、三浦しをんさん。
すきなマンガ家は、いくえみ綾さん、谷川史子さん。
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風が強く吹いている
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(= 生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。
ひさしぶりにいい読書をしたな!と思えました。
予選会から最後にかけては一気読みでした。

2010年の箱根駅伝までに読み終えられてよかったです。
2日の午前3時に読み終わりました。
すごいリアルタイム。笑
今まで駅伝に興味はなかったのですが、今年はしっかり箱根駅伝を見ました!
そしてジョギングを始めたくなりました。
笑っちゃうくらい影響されすぎなんですが、この本にはそれくらいのパワーがあると思います。

10人も登場人物がいますが、それぞれ個性がはっきりしています。
9・10章で、それぞれの登場人物が、「走ること」と「人生」とはなにかを考えていく場面がとても好きです。
特に、王子の走りに対する気持ちが変わっていく様子には、2回ほど泣いてしまいました。

走の、葉菜子ちゃんに対する気持ちの移り変わりにはきゅんきゅんしてしまいました。笑
しをん先生は、泣きどころときゅんとするところのツボを正確についてきますね…。
紙婚式 / 山本文緒
一緒に暮らして十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々、という夫と妻。傍目には羨ましがられるような二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。一緒にいるのに満たされない、変化のない日常となってしまった結婚のやるせなさ、微かな絆に求めてしまう、そら恐ろしさ。表題作「紙婚式」ほか、結婚のなかで手さぐりあう男女の繊細な心の彩を描いた、新直木賞作家の珠玉短編集。
結婚って、幸せなだけじゃないのね……。
そりゃ、ずーっと違う環境で育った二人がひとつ屋根の下で暮らすのだから、うまくいかないこともあって当たり前なのだけど。
この短編集は背筋がぞぞっとなるような話が多かったです。
でも、ほんのり温かくなるような話もあり。
うまくいくかいかないかは、お互いの心がけしだいですね。
まほろ駅前多田便利軒 / 三浦しをん
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。
読み終わってすぐに、「続編が読みたい!」って思った。
多田と行天のコンビがすごくいいです。
特に行天がなんだかいとしい……!
ハイシーの恋人のフリをする行天は、男らしくてステキ!

印象に残る言葉は多かったのですが、解説で抜粋されている言葉が特に良い。
ラスト6行は、何回も何回も読み返してしまいました。

町田市に行きたくなるお話ですね。
町田には行ったことありませんが、読み始めてすぐに「町田のことだろうな」って思いました。

しをんさんはいろんなテイストの話が書けてすごいなぁ。
エッセイもおもしろいし。
さまよう刃 / 東野圭吾
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える―。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。
重いです。
被害者側から見た物語なので、読んでいてただただ辛い。
被害者側に非はないものね……。

『正義とは何か』がテーマですが、この話を読み終わった後も、私にははっきりとは分かりません。
少年の刑が軽いのは、彼らが更生し社会復帰ができるようにするためだけれど、それをいいことに犯罪が起きるんだったら法律ってなんだろう、という感じですよね。
だからと言って簡単に年齢引き下げ、というわけではないし。
『手紙』を読んだ後もそうでしたが、ニュースを見る目が変わりそうです。

あ、あと最後のどんでん返しには驚きました。
もう一回読むのは精神的に辛いけど、どんでん返し部分は確かめたい!
シュガーレス・ラヴ / 山本文緒
短時間、正座しただけで骨折する「骨粗鬆症」。美人と言われてトイレにも立てなくなる「便秘」。恋人からの電話を待って夜も眠れない「睡眠障害」。月に一度、些細なことで苛々する女の「生理痛」。フードコーディネーターを突然、襲う「味覚異常」…。恋が、仕事が、家庭が、女たちの心と体を蝕んでゆく。現代女性をとりまくストレス・シンドロームと、それに立ち向かい、再生する姿を描く10話。
解説を読んで暗い話なのかなーと思っていたんですが、そうでもなかったです。
女性たちを取り巻いている状況は明るくはないけれど、彼女たちが再生に向かっていく姿を読んで、自分も前向きになれました。
自分がその病気にかかったわけではなくても、なぜか共感できるんですよね。

山本文緒さんの文章は、他の女性作家さんより自分にしっくりくるようで、とても読みやすいです。
話の流れがはっきりしているというか、しっかりしたオチがあるところがすきですね。

少し前に借りて読んだのでどんな話があったのかは覚えていないのですが、「便秘」が少しほほえましい気分にもなれてお気に入りでした。
眠れるラプンツェル / 山本文緒
主婦という孤独の日常に生まれた、一つの恋。年下の男は私の人生を変えた。
主婦という鎖をまとい、ラプンツェルのように塔に閉じこめられた私。28歳・汐美の平凡な主婦の生活。子供はなく、夫は不在。ある日、ゲームセンターで助けた、隣の12歳の少年と恋に落ち−−。
設定だけ聞くと、28歳が12歳をすきになるなんてありえないだろ!という感じなのだけど……、読んでいるとルフィオならアリかも、と思ってしまうのだから不思議。
久々に、読んでいてきゅんきゅんした本です!
ルフィオかっこよすぎです!
あんな中1はいない……。

後味もとても良いです。
ハッピーエンドだと思うかは人それぞれだと思うけど、わたしはすごくいい終わり方だと思いました!
ルフィオの「絵空事だと思ってるんだろ」という台詞になぜか感動しました。(うろ覚えですが……)
変わらない気持ちもあるって信じたいですね。

実写化するとしたら、松山ケンイチが中1くらいのときはルフィオがぴったりだったのでは。
まぁ松山ケンイチの中1時代は知らないですが(笑)
完全に「人のセックスを笑うな」の影響ですかね?
硝子のハンマー / 貴志祐介
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号。廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。
貴志さんを読むのは、青の炎、新世界よりに続いて3作目です。
この作品でも思ったのは、貴志さんの知識がすごいなぁということ。
というか、取材が緻密なんでしょうね。
読んでいて、細かい描写に「そうなんだ!」と驚くことが多い。

この作品は貴志祐介作品の中では異色なのかな?
さっぱりしていて読みやすかったです。
しかし、貴志さんの犯人目線の話は切なくなりますね。
青の炎といい、硝子のハンマーの2部といい。
今作はまだ大丈夫だけど、青の炎は気合い入れないと読み返せないからなぁ……。

この青砥・榎本シリーズって続編出てるんですよね。
二人の関係、すきです。
終わり方にはにやにやしちゃいました!
実写化するなら、深津絵里&二宮和也でお願します。
完全に自分の趣味ですけど(笑)
新世界より / 貴志祐介
ここは汚れなき理想郷のはずだった。
1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!

子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!
3ヶ月ほど前に図書館で借りて読んだので、細部は忘れちゃってますが、ものすごく圧倒された作品でした。
貴志さんは本当にデティールが細かい。
そのせいで始めは物語に入っていきにくかったんだけど、上巻の半分を過ぎた頃からはもう一気読み!
下巻はほとんど一晩で読んだなぁ。
バケネズミの正体には、人間の強欲さを感じました。

登場人物も多かったけど、それぞれ個性が出ていて面白かったです。
覚と瞬がステキでした。
覚ってけっこう男前ですよね!(笑)

読んでから時間が経ってるからこんな感想しか出てこない……。
文庫本が出たら絶対買います。
はるがいったら / 飛鳥井千砂
両親が離婚し、離れて暮らす姉弟。完璧主義の姉・園は、仕事もプライベートも自己管理を徹底しているが、婚約者のいる幼なじみと不毛な恋愛を続けている。体が弱く冷めた性格の弟・行は、寝たきりの愛犬・ハルの介護をしながら高校に通い、進路に悩む。行が入院し、ハルの介護を交代した園。そんな二人に転機が訪れ―。
いくえみ綾さんの表紙でジャケ買いでした。
犬のハルの存在で、色々なことが起こる話にまとまりが出ていて読みやすかった気がします。
「犬の死」というテーマなのにわざとらしい感動を誘わないラストに好感を持ちました。

完壁主義の姉・園の視点に、共感したり怖かったり。
園から見たら、わたしなんてダメ人間なんだろうなぁ。
婚約者がいる恭ちゃんとの恋愛については、恭ちゃんなんかやめちゃいなよ! とどこかイライラしながら見てました。
いくえみ綾さんの「潔く柔く」の朝美を思い出しちゃって……。
園はステキなんだから、こんな男に捕まってちゃもったいないよ!

行サイドの話は、どこかムズかゆかった。
忍との屋上シーンは、いいシーンなんだけどどこか不自然だったような……。
伝えたいことはすごくよく分かるんだけど、うーん、なんだかなぁ。

個人的には、行もいいけど、小川君がすきです!(笑)
世に棲む日日 / 司馬遼太郎
狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動
幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。その原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇
高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく」という辞世の句がすきで読み始めたんですが、司馬遼太郎の文章ってこんなに説明文的だったかな? というのが第一の感想です。
燃えよ剣や竜馬がゆくは読みやすく感じたんだけどなぁ。
歴史上のバックグラウンドを知ってから読んだ方が面白いかも。
勉強してからもう一度読み返したい。

高杉晋作の女性関係にはかなりツッコミを入れたくなりました(笑)
お雅かわいそう……。
でもおうのはかわいかったです。

松蔭の「長短に関わらず、人生には春夏秋冬がある」という言葉にぐっときました。
松蔭も高杉も、30年も生きていないのに、すごく濃い人生だなぁ。